コグトレでトレーニングできる認知力ってなに?対人力と身体力もアップ!

子育て

「コグトレ」と聞いて、どんなトレーニングなんだろうと気になる方もいるかと思います。

わたしも子どもが放課後等デイサービス(放デイ)で「ゴグトレやってきた」と言っていて、全然イメージができませんでした。

この記事ではコグトレを提唱されている宮口孝治さんの「不器用な子どもがしあわせになる育て方」の本を元に、コグトレとは何か子ども認知力対人力信頼力とは何かについてまとめました。

育てにくい子どもを持つ方、発達障害児を持つ方、またその支援者の方のお役に立てると幸いです。

✳︎本記事は「不器用な子どもがしあわせになる育て方」、著者:宮口幸治、株式会社かんき出版の内容を参考にしています。

コグトレって何?

コグトレとは認知力、対人力、身体力アップを目指すトレーニングのことです。

宮口幸治さんが研究の末に生み出したトレーニング方法で、今は学校や放課後等デイサービスなどの福祉施設などで取り入れられています。

診断のあるなしに関わらず、生きづらさを感じている子どもには3つの特徴があります。

  1. 認知力の弱さ(学習面)
  2. 対人力の弱さ(対人面)
  3. 身体力の弱さ(身体面)

では次から一つずつ特徴を見ていきたいと思います。

1.認知力の弱さ(学習面)とは

認知機能の問題で、見たり聞いたり想像したりすることが苦手で、そもそも学習を受ける土台ができておらず、勉強が苦手です。

何度注意しても理解が深まらず積み重ねができない、周囲を見て適切な行動が取れない、嘘や誤魔化しが多い、目標を定められず努力できないなどの特徴があります。

【特徴】

  • 何度注意しても理解が深まらず積み重ねができない
  • 周囲を見て適切な行動が取れない
  • 嘘や誤魔化しが多い
  • 目標を定められず努力できない

そもそも認知機能ってなんでしょうか?

認知機能とは、記憶、知覚、注意、言語理解、判断、推論などの要素が含まれた知的機能のことです。

認知機能は全ての行動の基盤であり、学習をする上での土台です。

認知力が弱い場合、五感から入った情報が歪んでいたり、欠けていたりしますので、受け取った情報から実行された結果が望ましいものでない可能性が高いことは当然ですね。

勉強が苦手でできないのではなく、そもそも正しく受け取ることができていないからできないのです。

宮口さんは子どもの生きにくさの原因が「見る力」「聞く力」などの弱さにあるのならばトレーニングで改善できる可能性があるのではないかと提唱されています。

認知機能が弱いと学んだことを積み重ねることが難しいため、何度注意されても同じ間違えを繰り返してしまったり、昨日学んだ続きといって授業が始まっても昨日のことがゼロになってしまっており理解できないなど問題が起こってしまいます。

悪いことをして反省させる前に、子どもが「そもそも何が悪かったのか理解する力があるのか」、「これからどうしたらいいか考える力があるのか」がまず大切です。

認知力がどの程度あるのか知り、また認知力を向上させることが子どもの学びの土台を作ることであり、非常に重要です。

2.対人力の弱さ(対人面)とは

対人力の弱さから、感情の問題(人の気持ちがわからない、すぐにキレる)、自己評価の問題(自分の問題点が分からない)、会話力の問題(基本的な人との接し方が苦手)、柔軟さの問題(融通が効かない、予想外のことに弱い)という問題が起きます。

対人力の弱さは、相手を不快にさせてしまったり、相手の欠点ばかりを責めてしまう、嫌なことを断れない、流されてしまう、1つのことを考えると周りが見えなくなるなどの特徴があります。

【特徴】

  • 人の気持ちが分からない
  • すぐにキレる
  • 相手を不快にさせてしまう
  • 相手の欠点ばかりを責めてしまう
  • 嫌なことを断れない
  • 流されてしまう
  • 1つのことを考えると周りが見えなくなる
  • 予想外のことが苦手

対人力とはコミュニケーション力であり、言葉以外にも視線の向け方や相手との距離の取り方、相手の気持ちを理解する力、他者とのトラブルを解決する力なども必要になります。

しかしそもそも見る力や聞く力、想像する力といった認知機能が弱いと、相手の表情や不快感が読めない、相手の話を正しく聞くことができない、会話が続かない、話の背景が理解できないなどの問題が起きます。

それゆえうまくコミュニケーションが取れず、なかなか友達ができなかったり、友達に不快な思いをさせてしまったり、悪友の言いなりになるなどの問題行動に繋がる可能性があります。

3.身体力の弱さとは(身体面)

身体力の弱さとは、身体の使い方の問題(運動音痴、手先が不器用など)のことです。

身体力が弱いと、力の加減ができなかったり、物をよく壊す、自分の体の動きを予測できない、左右がわからないなどの特徴があります。

【特徴】

  • 運動音痴
  • 手先が不器用
  • 力の加減ができない
  • 物をよく壊す
  • 自分の体の動きを予測できない
  • 左右がわからない

身体力の弱さは発達性協調運動症が関係している可能性もあります。

協調運動は別々の動きを一つにまとめる運動のことです。

例えば皿洗いは、お皿が落ちないように片手で押さえて、反対の手でスポンジを持ちお皿を擦るという2つの動きが連動しています。

この連動に難しさがあるため、身体の不器用さに繋がっていると考えられています。

手先の不器用さは日常生活にも影響がある為、身辺自立にも関わってきます。

そのため周りと見た目でバレてしまうので、目立ちやすくなり、生きづらさを抱えることもの自信を失う大きな原因になっています。

コグトレをすることで自信とやる気をつける

コグトレをすることで認知力を向上させ、子どもに自信をつけ、やる気に繋げていくことができると宮口さんは提唱されています。

子どもは安心感を求め、寄り添ってくれる大人の存在を求めており、それがあって初めてチャレンジしたい、新しい自分に変わりたいと思うことができます。

子どもの心の声に耳を澄ませ、子どもにとって安心できる存在でありたいですね。

そうすれが子どもは安心の土台を築くことができ、寄り添ってくれる存在によって、自分の本来の力を発揮できるようになります!

まとめ

▷ コグトレとは認知力、対人力、身体力アップを目指すトレーニング

▷ 認知力は全ての土台であり非常に重要

▷ 大人は、子どもとって安心感と寄り添ってくれる存在になるのが重要

コグトレの実際のトレーニング方法やトレーニング問題集などは何冊も出版されています。

実際に実践してみたいという方はぜひ本屋さんでチェックしてみてください、