2026年度前期朝ドラ「風、薫る」の主演に抜擢された見上愛。クールな外見とは裏腹に、インタビューでは驚くほど等身大の言葉を語ることで知られています。
「仕事だけの人間にはなりたくない」「楽しさを追い求めることが自分の役者哲学」——そんな彼女の言葉には、俳優という仕事への真摯な向き合い方と、生活者としてのしなやかな人生観が滲み出ています。
この記事では、各種インタビューで見上愛が語った仕事観・演技論・人生観の言葉をテーマ別にまとめました。
見上愛ってどんな人?素顔のキャラクター
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 生年月日 | 2000年10月26日 |
| 出身地 | 東京都 |
| 所属 | ワタナベエンターテインメント |
| 学歴 | 日本大学芸術学部演劇学科(演出コース)卒 |
| 趣味・特技 | 観劇、ギター、バレエ、キーボード、写真、執筆 |
| 家族 | 6つ上の兄、妹。父と兄は音響関係の仕事 |
中学2年生で演劇に目覚め、もともとは演出家志望。「裏方の仕事に就くには演技も学ぶべき」という一心でワタナベエンターテインメントスクールに入り、気づけば女優デビューを果たしていました。
大学時代は「絶対4年で卒業する」と宣言し有言実行。日本大学芸術学部では演出コースに進みながら、女優業との二足のわらじを貫きました。同級生には女優の河合優実がおり、入学式で見上から声をかけて親友になったというエピソードも有名です。
「楽しむこと」が役者哲学の核心
見上愛のインタビューで繰り返し登場するキーワードが「楽しむ」という言葉です。
「俳優の仕事も、表現方法のうちの1つだと思っていて、楽しみながら取り組んでいます」 (シネマトゥデイ)
「ただただ自分が楽しもうという気持ちで現場にいます」 (realsound、映画『異動辞令は音楽隊!』インタビュー)
この「楽しむ」姿勢は、決して軽い意味ではありません。Oggi(2025年)のインタビューでは、こう続けています。
「いろんな顔を見せる。これこそが、私の仕事だと思います。そして、どのキャラクターにもいろんな面があって、ひとことで言い表せることはなくて。それもそのはず、人間はもともと多面的なものですから。芝居の経験が積み重なるにつれて、ますますそう感じています」 (Oggi 2025年6月号)
「楽しむ」ことと「真剣に向き合う」ことを、見上愛は矛盾なく両立させています。
演技への向き合い方・脚本の読み方
脚本は「じっくり読む」のが流儀
「じっくり脚本と向き合って、準備をするのが、私のやり方。大学で舞台を専攻し、脚本の読み方はずいぶん学んできました。古くからある脚本でも、どう読み解くかによって演出も表現も変わります。その勉強は、俳優としての今につながっていると思います」 (Oggi 2025年6月号)
演出家を目指していた経験が、俳優としての脚本読解力に直結しているのが見上愛の強みです。
役作りは「経験者に話を聞く」
役に近い経験や知識を持つ人物に直接話を聞いてから撮影に臨むのが彼女のスタイル。「光る君へ」での藤原彰子役でも、平安時代の文化や装束について徹底的にリサーチしたことが知られています。
転機になった2つの作品
初主演映画『衝動』(2021年)は、演技論において大きな転機になったと語っています。
「私は声が出ない役なので、基本的にセリフがない状態なんです。言葉を出さずに表現していかなきゃいけなくて。そうするうちに、今まで主演の方や年上の方々が、すごく気を遣ってくださっていたんだろうなということに気づいて。そんなふうに『演技すること以外』の女優としての仕事に気づいたのが『衝動』です」 (logirl)
「演技すること以外の仕事に気づく」——この言葉は、現場全体を俯瞰できる演出家目線ならではの気づきといえるでしょう。
「仕事だけの人間にはなりたくない」生活観
見上愛の人生観で特に印象的なのが、仕事に飲み込まれることへの強い意識です。
「仕事だけにならないように、生活にも軸を持つというか。いい意味で仕事だけにならないように。それだけの人になっちゃうのが怖いなと思っているので。普通の感覚というか、生活に主軸を置きながらいろいろな表現ができていたらいいなという理想があります」 (logirl)
大学時代のインタビューでも、仕事と学生生活を両立することについてこう語っています。
「どっちもやっているからこそ、どちらものストレス発散になっているんです。リフレッシュしたいときは、大学に行って友達に会うと元気が出るし、大学の勉強で疲れているときに仕事へ行ったら、それはそれでストレス発散できるので、今、すごくバランスがとれています」 (CanCam 2022年)
「生活者としての自分」を大切にする姿勢は、デビュー当初から一貫しています。
夢だった演出家と、俳優としての今
もともと演出家を志していた見上愛は、今でもその夢を捨てていません。ただ、現時点での優先順位については明確に語っています。
「もともと目指していた演出家は、俳優として活動している今は片手間にはできません。演出の仕事を見ているとそう感じます。今は演じる仕事がすごく楽しい。このまま勉強を続けていって、いつかここぞというときに、挑戦しようと思います」 (Oggi 2025年6月号)
演出家という夢を「捨てた」のではなく「温めている」のが見上流。「今に集中する」という姿勢が、俳優としての急成長にも繋がっているのかもしれません。
また、2024年からはYouTubeやポッドキャストなど、芝居以外での発信にも積極的に挑戦。「脱力じかん」(丸山礼との配信)では素のトークを披露し、「自分でいられる時間も楽しい」と新たな喜びを見つけています。
憧れる大人像・将来のビジョン
どんな大人になりたいかを問われると、見上愛の言葉はとても具体的です。
「いつまでも、少年・少女の心を忘れない大人って素敵だと思います。大人になるにつれ、何かするにも、メリットがあるか、効率がいいかを考えてしまうもの。でも、損得じゃないところ——人のため、楽しい仕事のため——で動ける人になれたら。それが、私の憧れる”大人”です」 (Oggi 2025年6月号)
「損得じゃないところで動ける大人」。この言葉は、売れることよりも「楽しみ続けること」を軸に置く彼女の生き方そのものを表しているようです。
将来の夢については、こんな微笑ましい発言も。
「田舎で喫茶店を営みたいです。生まれてからずっと東京で暮らしており、おっとりとした、空気の澄んだところに憧れがあるんです。移住して、畑を耕しながら毎日ケーキを焼いて、コーヒーを淹れたいですね」 (with digital)
女優・見上愛の”もう一つの夢”は、田舎の喫茶店マスターだそうです。
意外な素顔・趣味・好きなもの
ギターは本格派
小学6年生からギターを始め、映画『異動辞令は音楽隊!』では劇中曲のレコーディングにも参加。周囲を驚かせるほどの腕前を持っています。
バレエは15年
3歳から18歳まで続けたバレエは、俳優としての身体表現の土台になっています。
観劇は「仕事」でもあり「人生」でもある
中2で演劇に目覚めて以来、観劇は人生の軸のひとつ。「お休みの日に映画やドラマを観ると仕事と直結してしまって休まらない」という一方で、アニメは「気楽に物語を追っていける」ため好んで視聴しています。
陶芸・洋服作りも
趣味は多岐にわたり、陶芸や洋服作り、執筆など、「作ること」全般が好き。友人・河合優実が主演した映画では衣装担当を務めたこともあります。
お兄さんへの尊敬
6つ上の兄について、こう語っています。
「兄は小学生のころから道順を立て、それに向かって努力することに長けた人です。常に有言実行してきたように思えます。ちゃんと努力をする。ああいうふうに自分の道を切り開いていくのかと、その姿を見ながら思っていました」 (シネマトゥデイ)
努力と有言実行——見上愛の仕事への姿勢には、兄の背中からの影響が感じられます。
「風、薫る」主演決定への思い
2026年の朝ドラ主演決定について、見上愛はこのようにコメントしています。
「りんは不完全なところや理不尽な状況にも自分なりに向き合い続ける人。そういった姿を丁寧に、誠実に演じたい」
連続テレビ小説は初出演・初主演という大抜擢。「仕事だけの人間にはなりたくない」と語り続けてきた彼女が、明治という激動の時代に看護の道を切り拓く女性・一ノ瀬りんを演じる——その選択に、見上愛らしいこだわりが感じられます。
まとめ
見上愛が語る言葉に共通するのは、「楽しむこと」「生活を大切にすること」「損得ではなく人のために動くこと」という一貫したテーマです。
女優として急成長しながらも、「仕事だけの人間にはなりたくない」と言い切れる芯の強さ。演出家という夢を捨てずに温め続けながら、今この瞬間の演技に全力を注ぐ姿勢。
「田舎で喫茶店を開きたい」という夢を堂々と語る等身大のキャラクターが、多くの人に愛される理由なのかもしれません。
2026年3月30日スタートの朝ドラ「風、薫る」で、どんな一ノ瀬りんを見せてくれるのか。見上愛の言葉と生き方を知ったうえで観ると、また違った景色が広がるはずです。
